軽井沢ハウス物語-バックナンバーVOL_001
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恋愛とエロティシズム・。・。作家:山口路子の「軽井沢ハウス物語」・。・。
・。・。・。イメージは・。・。・。 北フランスの田舎家・。・。・。・。

限られた予算でどこまでこだわれるのか。どこまでできるのか。
何を捨てて何を取るのか。

「お金をかけずに、優雅に暮らす!」ライフスタイルを目指す
山口路子の家づくり&インテリアマガジン。

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軽井沢の片隅にたたずむ、一軒家。
北フランスの田舎家風の外観に魅せられて、あなたが訪ねていらっしゃいました。
ようこそ!

はじめまして。山口路子です。どうぞゆっくりなさっていってくださいね。

完成したばかりのこの家は、「軽井沢に合った家」
を目指してつくられました。
ポイントは2つ。
ひとつは、軽井沢の風土に適合していること。
もうひとつは、「美」的観点から軽井沢の風景に合っていること。

もちろん、さまざまなこだわりもありますから、
あなたが軽井沢とは縁のないところに住んでいたとしても、
家づくりやインテリアに興味があるなら、
きっと楽しんでいただけると思います。

どこまであなたの共感を得られるか、
卒倒しそうなほど不安ではありますが、
勇気を出して、さあ、さっそくご案内をしましょう。

まずは、明るいうちに家の外側をご覧になっていただきましょうか。
陽が落ちると、とたんに冷えますからね。
さあ、こちらです。

…といったかんじで、このマガジンは、あなたに私の家を
ご案内するかんじで進めてまいります。
だめよ、途中で帰るなんて言わないでね。
どうぞよろしく。
☆メールはこちらまで
muse@angel.ne.jp
☆山口路子の公式サイト「ギャラリーカフェ・ミューズ」はこちら
http://www.angel.ne.jp/~muse/

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第1章  外観  。・。・。・。・appearance・。・。・。・。

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第1話 「むき出しの基礎は白いスポーツソックス」

2003/12/04
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ホームパーティーと靴との関係

唐突ですが、欧米で一般的なホームパーティー。
これが日本ではなぜ、いまひとつ普及しないのか、考えたことがありますか?
(そんなのは普通考えない)

私は考えるのです。ホームパーティー好きの知人宅に招かれたときなどに、
しみじみと。
そしていつも思うのです。
日本人の性格や、狭い住宅事情もあるでしょうけど、原因のひとつに絶対、
絶対「スリッパ」があると。
そう、靴を脱ぐ。そして、スリッパを履く。あるいは、そのまま。
これがいけないのよ。
と思うわけです。

どんなにドレスアップしていても、足元がスリッパやソックスでは、雰囲気
台無しです。
本当におしゃれなひとは靴にこだわる、とはよく言われることですが、それは
家にも言えるのではないか、と私は思うのです。

むき出しのコンクリートは白いスポーツソックス

と言うのも、私は家をつくるにあたって、そりゃあもう、たくさんの雑誌を
見ましたが、そこで愕然としてしまったのが、「基礎」だったのです。
総煉瓦、素敵な色のサイディング、ログ…などなど、素晴らしい外壁の数々。

ところが、なぜか、基礎はみな、そのまま。コンクリートむき出しなのです。

なぜなぜ?
ほんとうに不思議でした。
なぜなら、私には、こう見えてしまうのです。
コンクリートが白いスポーツソックスに…。

いいえ、けっして白いスポーツソックスを否定しているのではありません。
服がスポーティーであれば、それもいいのです。
けれど。
服が、たとえば…ドレープの美しいドレスや、ニットのワンピースであったと
きに、白いスポーツソックスは、合わないでしょう。

家もそれと同じだと思うのです。
コンクリート基礎が似合う家もあるけれど、そうでない家も多いのです。


基礎はコンクリートでしょう。みんなそうですよ

さて、私の家づくりのパートナー、軽井沢随一の建築数を誇る「アート
ハウジング」の建築士、丸山さん
は次のようにおっしゃいました。

「基礎はコンクリート、これ、普通ですよ」

「なぜ? なぜ?」

「そこまでこだわる人はいないんですよ」

「不思議です。なぜでしょう。世界の7不思議の一つです。みんな、どうして
平気なのでしょう。丸山さんは、瓦屋根、しっくいの塗り壁、ときて、基礎は
コンクリートむき出し、が美しいと思います? それともコンクリートを愛し
ているとか」

「いえ、特に愛していません」

「だったら、きちんと飾りましょう。ちゃんとストッキングと靴を履かせて
あげてください。ガータベルトとまでは言いませんから」

「は?」

と、丸山さんが不思議そうな顔をするものですから(当たり前)、私は彼に
白いスポーツソックスの話をしました。
すると丸山さんは、笑っておっしゃいました。
「いやあ、面白い例えですね」
ですって。

私はここでさらに畳みかけました。

「丸山さん、もしも反対なさるのなら、仕方ありませんね。予算のこともある
でしょうし。(きっと彼を見上げて)、私、自分で石を貼ります!(決意あふれ
る瞳でね)」

「え! それはやめてくださいっ」

丸山さんは慌ててそうおっしゃいました。
せっかくの家を、素人の手仕事で台無しにされるのを恐れたに違いありません。
そして、こうおっしゃってくださいました。
「わかりましたわかりました。やりますやります」

ありがとう、丸山さん。ちゅっ。


こう書くと数分でカタがついたかのようですが、じっさいには
「基礎に石を貼りたい VS そのままでいいのでは」
の攻防(おおげさ)は数ヶ月に及んだのです。


基礎だって、家の一部です。どうしてこだわらずにいられましょう

私はねばねばとねばりました。丸山さんは私のねばねばを、じつに爽やかに
かわし続けました。
途中で何度も、もう諦めましょうか、と思いました。
けれど、やっぱりだめだめ、と思い直すのです。
これはどうしても譲れない。
理由はとっても簡単。
「美しくないから」です。

丸山さんは、私の提案のほとんどに絶句しながらも「やってみましょう」と、
まずは前向きで取り組んでくださった、素敵な方ですが、基礎については最後
の最後まで、「しぶしぶ」的だったように思うのは、私の気のせいではないで
しょう。


限られた予算だからこそ、楽しい家づくり

コストも手間もかかるというのに、なぜそこまでするのか。その予算を他に
回したほうがいいのに。

彼がそう思うのは当然だと思います。

そう、「限られた予算」! たいていみんなそうなのでしょうが、私は最初に
決めた金額から1円たりともオーバーせずに、家を完成させることを、かなり
強く決意していました。

一度オーバーしてしまったら最後、あれもこれも、どうせ作るのだから、
せっかくだからと、どんどん膨れあがるに決まっています。

それに、予算内でなんとかするのは、私には楽しいことでした。
やりがいがありました(家具等をそろえる時、けっこう燃えました)

ひとは、まるっきりの「自由」を与えられると、何をしていいのか困る生き物
なんだそうです。

もしも私に無限の予算が与えられたら、何をどうしていいのか、どのような
家をつくったらいいのか、途方にくれたことでしょう。
制限があるから、そのなかで、何をどうしようと、あれこれ工夫するのが、
考えることが、楽しい。

さて、私はこんな調子でしたが、丸山さんはどうだったのでしょうか?

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