軽井沢ハウス物語-バックナンバーVOL_004
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恋愛とエロティシズム・。・。作家:山口路子の「軽井沢ハウス物語」・。・。
・。・。・。イメージは・。・。・。 北フランスの田舎家・。・。・。・。

限られた予算でどこまでこだわれるのか。どこまでできるのか。
何を捨てて何を取るのか。

「お金をかけずに、優雅に暮らす!」ライフスタイルを目指す
山口路子の家づくり&インテリアマガジン。

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軽井沢の片隅にたたずむ、一軒家。
北フランスの田舎家風の外観に魅せられて、あなたが訪ねていらっしゃいました。
ようこそ!

はじめまして。山口路子です。どうぞゆっくりなさっていってくださいね。

完成したばかりのこの家は、「軽井沢に合った家」
を目指してつくられました。
ポイントは2つ。
ひとつは、軽井沢の風土に適合していること。
もうひとつは、「美」的観点から軽井沢の風景に合っていること。

もちろん、さまざまなこだわりもありますから、
あなたが軽井沢とは縁のないところに住んでいたとしても、
家づくりやインテリアに興味があるなら、
きっと楽しんでいただけると思います。

どこまであなたの共感を得られるか、
卒倒しそうなほど不安ではありますが、
勇気を出して、さあ、さっそくご案内をしましょう。

まずは、明るいうちに家の外側をご覧になっていただきましょうか。
陽が落ちると、とたんに冷えますからね。
さあ、こちらです。

…といったかんじで、このマガジンは、あなたに私の家を
ご案内するかんじで進めてまいります。
だめよ、途中で帰るなんて言わないでね。
どうぞよろしく。
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☆山口路子の公式サイト「ギャラリーカフェ・ミューズ」はこちら
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第4話「変身した屋根瓦」

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たいへん、石が足りなくなっちゃった

おくさーん、と呼ばれて出て行くと、できたてほやほやのストーンデッキの前で山本さんが、
困った顔をしています。

「ど、どうしました?」

「あそこんとこね、石がねえ、やっぱり足りなくなりそうです。どうします?石を少なくして
モルタル(石と石の間を埋めるためのもの)を多くするしかないですかねえ」

「それ、ヘンじゃありません?」

「きれいじゃあ、ないですよねえ」

 ……。

どうしよう! 石を追加注文するのは簡単だけれど、そうするとさらにコストがかかる。
材料費だけではなく、人件費も…。
第1話にあるように、無理言ってお願いした基礎化粧だったので、私にはこれ以上、丸山さんに
負担をかけることはできませんでした。
なんとかしなくては。

※第1話「むき出しの基礎は白いスポーツソックス」参照
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お金はかけずにアイデアで勝負よ

そ足りなくなっちゃったのは、正面のテラス右側。
このテラスには、サンルームとおそろいのテラコッタが貼ってあります。
私は山本さんに言いました。

「山本さん、ここは、そもそも、この石では色が合いませんね」

「言われてみれば、そうですね」

何か、いい方法はないものか。私は頭をフル回転させました。思考を柔軟に柔軟に。

お金はかけずにアイデアで勝負よっ。考えるのよっ。

やがて、私の頭の右上あたりに、ぴかっと、電球マークが点灯しました。

「山本さん、いいこと考えつきました!」

私は、庭の隅を指差して言いました。

「あれを、使いましょう」

私の指差す先には、テラコッタとほぼ同色の、ある建材が無造作に積まれていました。

屋根に使った「瓦」です。
余ったものを「いらないなら置いていってください」とお願いして、いただいておいたものです。
4ヶ月の間、ずっと放っておかれていたのです。

庭づくりにでも使えるかな。使わなかったら、砕いて、石に混ぜちゃってもいいな。

その程度にしか扱われていなかった、瓦ちゃんが、今、脚光を浴びようとしています。



ほら、余った屋根瓦が、こんなにすてきになりました

「山本さん、あれを砕いて、貼りましょう!」

「え? 瓦をですか?」

「そうです。きっとぴったり合うと思います。でこぼこでも味がありますよ。
やりましょ、やりましょ」

「丸山さんに聞かなくてもいいですかね?」

「彼はきっと、賛成すると思います。大丈夫、自信があります」

私はすっかり丸山さんの妻のようです。

「うーん、こんなの初めてだなあ」

そう言いながらも山本さんは瓦を砕いて貼ってくださいました。
どこか楽しげに見えたのは、私の希望的観測でしょうか。
貼り終えた後で、ご自分の「仕事」を眺めながら、山本さんは、こうおっしゃいました。

「ちょっと考えられない発想だけど、そうですよね、よく考えれば、こういう利用法も
あるんだな。ちょっと丸まったりしているところもあるけど、これもいい雰囲気ですね。
石が足りなくなって、逆にいいものができましたね」

こういった有効利用ほど、私に充実感をもたらすことはないのです。
お金をかければいくらでも、いいものは集められます。いいものは作れます。
けれど、それじゃあ、つまらない。
なぜなら、それは誰にでもできること。
考えることが楽しいのです。職人さんと、考えながら作りあげてゆく、その
共同作業も、家づくりの楽しさのひとつ。

他にもたくさん、このようなエピソードがあります。
順を追って紹介してゆきますが、「屋根の瓦を基礎に貼った」ことは、
印象深い出来事でした。


(次号に続きます)

★次号予告
「ウッド・デッキ VS ストーン・デッキ」
お楽しみに!

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まぐまぐ