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■■■軽井沢ハウス物語-バックナンバーVOL_013■■■ |
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恋愛とエロティシズム・。・。作家:山口路子の「軽井沢ハウス物語」・。・。
・。・。・。イメージは・。・。・。 北フランスの田舎家・。・。・。・。
限られた予算でどこまでこだわれるのか。どこまでできるのか。
何を捨てて何を取るのか。
「お金をかけずに、優雅に暮らす!」ライフスタイルを目指す
山口路子の家づくり&インテリアマガジン。
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軽井沢の片隅にたたずむ、一軒家。
北フランスの田舎家風の外観に魅せられて、あなたが訪ねていらっしゃいました。
ようこそ!
はじめまして。山口路子です。どうぞゆっくりなさっていってくださいね。
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完成したばかりのこの家は、「軽井沢に合った家」
を目指してつくられました。
ポイントは2つ。
ひとつは、軽井沢の風土に適合していること。
もうひとつは、「美」的観点から軽井沢の風景に合っていること。
もちろん、さまざまなこだわりもありますから、
あなたが軽井沢とは縁のないところに住んでいたとしても、
家づくりやインテリアに興味があるなら、
きっと楽しんでいただけると思います。
どこまであなたの共感を得られるか、
卒倒しそうなほど不安ではありますが、
勇気を出して、さあ、さっそくご案内をしましょう。
まずは、明るいうちに家の外側をご覧になっていただきましょうか。
陽が落ちると、とたんに冷えますからね。
さあ、こちらです。
…といったかんじで、このマガジンは、あなたに私の家を
ご案内するかんじで進めてまいります。
だめよ、途中で帰るなんて言わないでね。
どうぞよろしく。
☆メールはこちらまで
muse@angel.ne.jp
☆山口路子の公式サイト「ギャラリーカフェ・ミューズ」はこちら
http://www.angel.ne.jp/~muse/
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第3章 ダイニング 。・。・。・。・salle _ manger
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第13話「分厚いイメージファイルと"ちょうな"のこと」
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■■■前回のお話■■■
大工さん、丸山さん、現場監督の酒井さんと、「いい家をつくろうぜ、
えい、えい、おー」をするために、軽井沢駅近くの、とある店に
集まりました。
■■■ファイルをみせて・・・ ■■■
ビールを飲み、お好み焼きをつつきながら、私は分厚いファ イルを差し出しました。
そこには、ありとあらゆる雑誌から汗水たらして切り抜いた、さまざまな写真が載っ ていました。
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私は丸山さんには何度も繰り返したことを再び、大工さんと 現場監督に伝えました。
「古くて汚くて狭い」家、と思っていただいたら間違いありません。
新築ぴかぴかは大きらい。ずーっと前から住んでいたようなアジのある家にしたいの です。
たとえば、ほらっ、こんな感じ…。
と一枚の写真を指差しました。
そこには、年季を感じさせる梁(はり)が自慢の家が映っていました。
「梁もこんな感じにしたいんです」
でーっ!!!
と、頓狂な声をあげたのは丸山さんです(誇張あり)。
「そんなこと、初耳です」と彼は目をまんまるくしています。
こめかみがぴくぴくしていたかどうかは確認しませんでした。
私はのんびりと言いました。
「だって、これは最後でいいんでしょう?」
ひょえーっ!!!
ふたたび丸山さんが奇妙が声をあげました。
というのは嘘ですが、
丸山さんは「あきれてものも言えましぇん」という表情をなさっています。
「だってー、最後にちょいって削って、色塗ればいいんでしょう?」
ああ。
素人ほどおそろしいものはありません。…自分のことですが。
棟梁の山田さんがぼそりとおっしゃいました。
「こりゃあ、最初に削んなきゃあ、だめですよ」
あら、そうだったんですか。
じゃあ、そうしてください。
と私は実に簡単にお願いしました。

ここで、酒井さん、丸山さんがふたりでひそひそ。
山田さん、清水さんが、ひそひそ。
ときどき聞こえてくる会話は、
「無理だよ無理…」
「一日でやらないと…」
「明日しかねーよ…」
「だって明日は日曜、休みの日だぜ…」
「いったい誰がやるんだ…」
「それより、何で削ればこんなかんじになるんでい…」
みなさまの会話をまとめると次のようなことになります。
私が求めているアジのある梁にするためには、
まず、一番最初に、梁に使う木に細工をしなければならない。
つまり、それふうに、削らなければならない。
使う道具は「ちょうな」。
現在はほとんど使われることのない、それこそ、過去の遺物。
そして、ちょうなを使って梁を削る作業はたいへん時間がかかる。
手間がかかる。
すでに工事の日程は決まっており、その作業をするなら、明日しかない。
しかし日曜で、大工さんはお休み。
「するってーと、だめなの? 無理なの?」
私は「がーん」と顎が落ちちゃいそうなほどショックを受けました。
そこのところに、
「第一、ちょうななんて、いまどき誰も持っていないですよねー」
と丸山さんがとどめの一言を。
そして清水さんが「俺も使ったことないです」と、とどめのとどめの
一言を。
場がしーんと静まり返りました。
そのときです。山田さんが、ぼそりとおっしゃいました。
「俺、持ってる」
そして、続けて、「明日一日かければなんとかなるだろう。やってみよう」
とおっしゃってくださったのです。
丸山さん、酒井さん、清水さんは目を丸くして山田さんを見つめます。
その目にはキラキラとお星さまが輝いて…
いるわけなく、
「なんてことを言うんだー」
と瞳でうったえていた、と思ったのは私の気のせいでしょうか。
なにはともあれ、翌日朝から、梁を削ることが決定しました。
もちろん、私たちも参加します。
お手伝いするため?
いえいえ、この記念的行事を、写真にとるためよ。
と思ってでかけたのですが…。
(次号に続きます)
★次号予告
「過酷な作業と筋肉痛と尊敬と」
お楽しみに!
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