軽井沢ハウス物語-バックナンバーVOL_029
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恋愛とエロティシズム・。・。作家:山口路子の「軽井沢ハウス物語」・。・。
・。・。・。イメージは・。・。・。 北フランスの田舎家・。・。・。・。

限られた予算でどこまでこだわれるのか。どこまでできるのか。
何を捨てて何を取るのか。

「お金をかけずに、優雅に暮らす!」ライフスタイルを目指す
山口路子の家づくり&インテリアマガジン。

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軽井沢の片隅にたたずむ、一軒家。
北フランスの田舎家風の外観に魅せられて、あなたが訪ねていらっしゃいました。
ようこそ!

はじめまして。山口路子です。どうぞゆっくりなさっていってくださいね。

完成したばかりのこの家は、「軽井沢に合った家」
を目指してつくられました。
ポイントは2つ。
ひとつは、軽井沢の風土に適合していること。
もうひとつは、「美」的観点から軽井沢の風景に合っていること。

もちろん、さまざまなこだわりもありますから、
あなたが軽井沢とは縁のないところに住んでいたとしても、
家づくりやインテリアに興味があるなら、
きっと楽しんでいただけると思います。

どこまであなたの共感を得られるか、
卒倒しそうなほど不安ではありますが、
勇気を出して、さあ、さっそくご案内をしましょう。

まずは、明るいうちに家の外側をご覧になっていただきましょうか。
陽が落ちると、とたんに冷えますからね。
さあ、こちらです。

…といったかんじで、このマガジンは、あなたに私の家を
ご案内するかんじで進めてまいります。
だめよ、途中で帰るなんて言わないでね。
どうぞよろしく。
☆メールはこちらまで
muse@angel.ne.jp

☆山口路子の公式サイト「ギャラリーカフェ・ミューズ」はこちら
http://www.angel.ne.jp/~muse/


・・。・。・ こんにちは。 山口路子です 。・。・。・

 
お元気ですか?

先週の「軽井沢ハウス」は夏休みをいただきました。

軽井沢も、ハイシーズンをむかえ、賑わいをみせてきて
ます。

これから八月の終わりまで、「観光地軽井沢」に大変身。
スーパーの商品まで変わったりして、
いわゆる稼ぎ時なんですね。

ところで、この「軽井沢ハウス物語」、
今まで私がとりくんできたテーマとはずいぶん違うところで
書いているのですが、会う人に「あれ面白い」と言われることも
けっこう頻繁にあったりして、自分がいいと思うものと、
人がいいと思うものの間に、はげしく存在する距離を実感しています。

「うそだろー」と言われそうなのですが、私は自分の家、あるいは家作りを
「すごいでしょー」とはまったく思っていません。

ただ、このレベルの家としては低予算でスタートして、
そのなかで、いかに自分の好きな空間をつくることができるのか、
私なりには、七転八倒していたので、記録として残して
おきたい、と考えたに過ぎないのです。

それでも、こうしてメールマガジンを配信するために、たよりない
記憶をたどりつつ書きながら、やはり、「たかが家作り」とはいえ、
自分自身の価値観が、こわいほどに出ていることを、再認識
しています。

それでは軽井沢ハウス物語、今日は浴室ドアにまつわる
お話です。 

どうぞ最後までお楽しみくださいね。

前回の復習をしたい、勤勉なあなた。
→バックナンバーはこちらからどうぞ!
http://www.maruei-art.co.jp/k-house/backnumber.html



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第6章 バスルーム 。・。・。・。・。・。・。・。

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第29話「どうにかならないの? 浴室のドア!」


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眺めの良い浴室を

みなさん、もうお気づきだとは思いますが、「軽井沢ハウス」は、ほとんどが
私の趣味です。

夫は、家作り初期の段階で、

「あなたにまかせましょう。思う存分、あなたの
センスを活かして、あなたの作品をつくりあげたまえ」
(↑こんなしゃべり方はしません)

と言いましたので、ほとんど口を出しませんでした。
というか、ほとんど私にまかせっきりでした。

それでも、ペレットストーブの時にも見られたように、
要所要所で、貴重な意見をくれたので、それほど苛立つこともなかった…、
ように思いたいところです。

家作りの過程で、夫と妻の意見が対立し、あげくのはてには険悪なムードが
漂ってしまうことがある、とはよく聞く話です。

その点、我が家に、それはありませんでした。
ときおり私が、忙しさのあまり「きーっ」となっても、

「大変だねえ。珈琲でもいれようか。まあ、落ち着いて」
と、まるでひとごとのように、労をねぎらってくれたものです。
(いいえ、けっして、嫌味なんかではないわ)。

さて、そんな夫が唯一こだわったのが浴室でした。

夫はお風呂が大好き。入浴タイムは私の3倍。
意識不明になってはいないかと心配になるほどに、長いこと出てきません。
それほど、好きなようです。

そんな夫が希望したのが「眺めのよい浴室」でした。
設計の段階で、
「周囲の視線を気にせずに入浴できるように、
浴室を家の中心にもってこよう」
と、言ったこともあったくらいです。
もちろん、すぐに私によって却下されましたが。


結果的に、浴室は東側に作ることになり、我が家の東は雑木林なので、
窓外には緑がいっぱいに広がる、眺めのよい浴室となりました。

私も夜などは、キャンドルの灯りだけにして、窓を開けて
入ることもありますが、木々の香りがふわっと漂ってきて、
それはそれは素敵な気分になります。


 
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規格品に対する苦情を言わせてちょうだい

ところで、浴室のドアって。
どうして美しくないのでしょうか。

はい。また規格品に対する苦情です。

もともとそれほど種類もなく、決まって曇りガラスちっく。

「お ふ ろ の ど あ」

と、はっきり発音したくなるほど、
面白みも何もあったものではありません。

そこで私は丸山さんに言いました。

「なんとかできるでしょうか。ホテルのような浴室がテーマ
なのですから。美しいドアにしたいところです」

「・・・」(←丸山さん無言状態)

「いいえ、ドアをこの中(パンフ)から選ばないといけないことは
さすがの私でも承知してます!」

「・・・」(←同上)


「装飾ができれば。たとえば、ガラスブロックや、白タイルに
合わせて、正方形の格子みたいなのを作れないでしょうか」

「ああ、そういうことなら」(←ようやく丸山さん息をふきかえす)

「できるかもしれないなあ。うん、やってみましょう。白く塗装
すれば、おしゃれなドアができるかもしれませんよ」

「ほんとですか?」

「ええ、きっとできるでしょう。浴室のドアにここまで
やるか、って感じですけど、やりたいんでしょ?」

「・・・」(←首を縦にぶるんぶるん言わせているため無言の私)


そして、できあがったドア。

これ、入浴しながら、洗面所からもれる明かりが
とっても綺麗に見えるんです。

また一つ、お気に入りの空間ができました。



「どこにでもある家」は、快適でありえない

それにしても、さすがにこの時は自分でも、

「浴室のドアにそこまでやりますか?」

との想いがありました。

それで、後から「そこまで私を駆り立てるものは何か?」と
分析を試みたのですが。

うーん。
どうやら、私は

「意味もなく、世間の趣味をおしつけられる」

ことに反発したい性質をもっているようです。

家の基礎や洗面ボウル同様に浴室のドアも、

「こういうものなんですよ。あなたも受け入れなさい」

と、どこからか声が聞こえるようで、ついつい反抗したく
なるんでしょうね。

「どうしてよ?」
と、言いたくなるんでしょうね。

でも、この自分なりの美意識というか、執着を捨てたら、
「どこにでもある家」ができるだけのように思います。

「どこにでもある家」は、「自分以外の他の人にとって
快適な家」です。

自分自身にとって快適な家をつくるためには、やはり、
「どうしてよ?」といった疑問を、そして、他の人からは
どう思われようと、自分なりの美意識を捨ててしまっては
いけないのではないか。

そんなことをつくづく思いました。

もちろん、こういった「わがまま」
…じゃなくて、
家を作ろうという人の「要求、美意識」を、できるかぎり
受け入れてくれる、少なくとも受け入れようと努力してくださる
建築家(私の場合は丸山さん)に出会えなければ、不可能なことですが。
(きっと私は「この人、ぜんぜん受け入れてくれないっ」って気づいたら、
その段階で、他の人を探したでしょうけれど)


たかが浴室のドア一枚の話ですが、「基礎に石を貼って!」と並んで、
家作りを象徴している出来事のように、今は感じています。


★次号予告
「プライベートルームとしてのベッドルーム」

お楽しみに!

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まぐまぐ